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​あまがえるのきもち

あまがえるの気持ち 作パイシェル   

 

 

僕は黄緑色のかえるさ! ぴょんぴょん跳ねて原っぱをゆく 

 

おたまじゃくしのころは足も短くて跳べなかったがよくまあこんなに足が伸びたものだ  

 

 

かえるは、自分の足を見てほほえんだ 

 

(ところで僕は人に好かれているのだろうか) 

 

かえるは考え出した 

 

(いや、好かれてはいない、と思うが・・・)

 

(少なくとも、一部の人は僕を嫌っている 僕を見ると飛び跳ねて逃げる きいきい声を上げて)

 

かえるはなんだかおかしくなって笑った 

 

(僕のほうがうんと小さいのに) 

 

笑っていたかえるのそばに黒い影がせまってきていた 

 

「ギャ~~~~」 というかえるの悲鳴と、「キャ~~~~~~」 という女の子の悲鳴はほぼ同時だった 

 

大きな地響きがそこらじゅう響き渡り塵がとんで砂埃がたった 

 

(かえるにとって塵は石と同じである) 

 

そうして女の子はあっという間に逃げていった 

 

しばらくしてかえるは落ち着きを取り戻し、目を凝らしてあたりをじっと見た 

 

子供はすでにいなくなっている 

かえるはあまりの恐ろしさに身震いした 

 

(そういえばこの間、小さな女の子に追いかけられたっけ 下水道にかくれてもあの大きい目が僕を見てたよなあ) 

 

(悲鳴を上げて逃げる人もいるのにわざわざ捕まえに来る人もいるんだよな) 

 

かえるは不思議でたまらないと言った様子で小さい前足で腕を組む振りをした かえるは人を見るときいつも思った 

 

(きみ、僕のこと好き?それとも嫌い?悲鳴上げる?追い掛け回す?) 

 

好きか嫌いか分からないからこわい 

 

ひやひやした生活を毎日、かえるたちは送っているのかもしれない 

 

今度は誰が悲鳴を上げるのか、どんな人に出会うのか

 

草むらのねぐらで夕日を見ながら、かえるは今日も思った 

詩というより物語に近いですが、詩のつもりで作りました 

 

この詩は、一緒になった同級生のかえるに対する反応が様々でそこからこの詩を思いつきました 

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